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順樋の竹を用い、櫂先の深めの樋がとても美しいお茶杓です。共筒は『峰の松 玄妙』、共箱は『自作 宗含海仙(花押)』と署名されております。 御銘は『峰の松』。三十六歌仙、斎宮女御の代表作に『琴の音に 峰の松風 通ふらし いづれのおより 調べそめけむ』(ことのねに みねのまつかぜ かよふらし いずれのおより しらべそめけん)がございます。御銘はこちらから抄出されているのでしょう。この語訳は「琴の音に、峰の松風の音が似通っているように聞える。いったいあの松風は、どの山の尾、つまり琴の緒から、美しい音を奏で出しているのだろうか」。海仙宗匠はこの松風を茶道でいう*「松風」と捉え、『峰の松』と御銘をお付けになられたのでしょう。 *松風(まつかぜ) 松に吹く風。またはその風が梢を揺らして立てる音。茶の湯では釜の煮え音をこれに例え、開炉を迎えたこの頃にはとりわけ美しく聞こえる。 キズや、割れはございませんが、櫂先裏に若干使用感がございます*写真⑧。 長さ18.4㎝ 共箱。共筒。 ▢井口海仙(いぐちかんせん) 明治33年(1900~1982) 裏千家茶匠。裏千家13能斎宗室の三男。号~海仙・宗含。能斎宗室に師事する。茶道誌『茶道月報』や『淡交』の編集に当たり、茶道ジャーナリズムの確立に尽力。また流儀を超えた研究論文や随筆の著作や講演活動により、兄淡々斎宗室をたすけて茶道文化の普及発展に寄与した。今日庵理事・淡交会副理事長を歴任。昭和52年、京都市文化功労者。『大徳寺と茶道』『茶道大辞典』他著書(及び共著)多数。 【参考文献】 落款花押大辞典 淡交社 二十四節気で親しむ茶の湯の銘 淡交社 新日本古典文学大系『拾遺和歌集』 岩波書店 #自分だけの茶道具を持ってみませんか #茶わん屋食堂 #茶道具 #茶杓 #自作 #峰の松 #三十六歌仙 #斎宮女御 #茶道 #今日庵 #裏千家 #千利休 #千宗室 #井口海仙 #淡々斎 #淡交会 #茶会 #茶道 #古美術 #京都 #茶の湯 #美 #アート #おしゃれ #茶室 #お茶席 #お茶会
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順樋の竹を用い、櫂先の深めの樋がとても美しいお茶杓です。共筒は『峰の松 玄妙』、共箱は『自作 宗含海仙(花押)』と署名されております。
御銘は『峰の松』。三十六歌仙、斎宮女御の代表作に『琴の音に 峰の松風 通ふらし いづれのおより 調べそめけむ』(ことのねに みねのまつかぜ かよふらし いずれのおより しらべそめけん)がございます。御銘はこちらから抄出されているのでしょう。この語訳は「琴の音に、峰の松風の音が似通っているように聞える。いったいあの松風は、どの山の尾、つまり琴の緒から、美しい音を奏で出しているのだろうか」。海仙宗匠はこの松風を茶道でいう*「松風」と捉え、『峰の松』と御銘をお付けになられたのでしょう。
*松風(まつかぜ)
松に吹く風。またはその風が梢を揺らして立てる音。茶の湯では釜の煮え音をこれに例え、開炉を迎えたこの頃にはとりわけ美しく聞こえる。
キズや、割れはございませんが、櫂先裏に若干使用感がございます*写真⑧。
長さ18.4㎝
共箱。共筒。
▢井口海仙(いぐちかんせん)
明治33年(1900~1982)
裏千家茶匠。裏千家13能斎宗室の三男。号~海仙・宗含。能斎宗室に師事する。茶道誌『茶道月報』や『淡交』の編集に当たり、茶道ジャーナリズムの確立に尽力。また流儀を超えた研究論文や随筆の著作や講演活動により、兄淡々斎宗室をたすけて茶道文化の普及発展に寄与した。今日庵理事・淡交会副理事長を歴任。昭和52年、京都市文化功労者。『大徳寺と茶道』『茶道大辞典』他著書(及び共著)多数。
【参考文献】
落款花押大辞典 淡交社
二十四節気で親しむ茶の湯の銘 淡交社
新日本古典文学大系『拾遺和歌集』 岩波書店
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